脱出ゲームで幸運と筋肉と超能力を使うのはレギュレーション違反

4/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「この部屋には監視カメラとスピーカーがないんだね」  今までの部屋でも機能していなかったが、この部屋では観察や指示を出すという用途は想定されていないのだろうか。 「…………考えるのも、面倒」  そう言って少女さんが扉に手を翳すと、カチャリと音がして、そのまま扉が自動で開いた。 「む! 今なにをしたのだ!」 「…………私は、念動力も使える」 「なるほど! それは便利だな!」  もうそろそろ出口であって欲しいと願いながら扉の先に行くと、また部屋だった。しかし、窓は備え付けられており、そこから外の景色が見えた。 「あそこで寝ている人が犯人かな?」  書類に埋もれて、机に突っ伏しながらニタニタと笑いながら寝ている人がいた。紙にはさっきまで通った部屋の間取りや、ルールらしきものがびっしりと書き込まれていた。 「どうする? 警察に突き出す?」 「…………面倒」 「俺も些事でトレーニングの時間が削られるのは嫌だな! 多少楽しませてもらったし、それで拉致したことは許してやろう!」 「じゃあ、帰りますか。お疲れさまでした」  扉を潜ると、久しぶりの光……というわけでもないか。なにせ、10分くらいで脱出できたわけだし。筋肉さんは走って帰るらしく、少女さんは飛んで帰るらしい。僕は、まぁ、歩いていればそのうち家に着くから、適当に進めばいいか。  後ろで「僕の計画がぁぁ!」と、何やら嘆くような悲鳴が聞こえたが、きっと気のせいだろう。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!