ダークヒロイン

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あの野郎(ジオ)… また、やってるのか…」 彼女はちょっとだけ体を緩めて、頭を悩ませた。 「姫、失礼します。」 入ってきたのは、死神家に雇われている使用人の“ケンシ”だった。 「何?」 「夕食のお時間です。」 「そう。」 彼女は立ち上がり、食堂へと向かいながらケンシと話しながら歩いていた。 「明日、私は出かけるわ」 「ヤクザの屋敷ですか?」 「そう、スズキさんとユキコを連れて行く」 「かしこまりました。」 「それと……今度の(百神一族の)集会、来る?」 聞いた瞬間、ケンシは立ち止まった。少ししてからゆっくりと頬を緩めた。 「僕が集会に行くと思いますか?」 「いいえ、からかっただけよ」 「行ったとしても集会は気まずいですし、特に火神家は。」 「いじめ返せばいいのに」 「あまりそんなことしたくありませんよ」 しばらくして食堂に着くと、ユキコが食事の準備をして待っていた。 「あら、アキさんは送ってきたのね」 ユキコはゆっくりうなずいた。 「そう。今日は美味しそうなご飯ね、腕をあげたの?」 そう言うと、ユキコは嬉しそうに顔を緩めた。 「明日は集会があるからユキコとケンシ以外、留守番よろしくね、」 「えっ、僕も行くんですか?」 「そうよ、じゃなきゃ誰が送ってくれるの?」 「でも…僕は…」 「送り迎えだけで十分よ」 「わ、分かりました…」 彼女は食事を食べ終わると、立ち上がって自分の部屋へと帰って行った。
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