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すると、相手の男が吹き出すように笑った。
「私は、版元の営業ではありません。突然、こちらこそ申し訳ありません」
確かに、その物腰といい風格といい、営業のような必死さがまるで伝わってこない。成島は首を傾げるしかなかった。
「えっと、それではどういった……」
成島は言葉を飲んだ。
青年が、じっと成島の胸元を見つめている。
その視線の先にはネームプレートがある。店のスタッフは全員付ける決まりになっており、成島は店長なので肩書も入っている。
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