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成島はどうにか落ち着きを取り戻し、書棚整理を再開した。
「あの、すみません。私には何のことか……あなたとお話するようなことなど」
「成島喜一氏の足取りを探しています。ようやく、ご親族……お孫さんに会えました」
――。
「そんな、一体、何を」
突然、成島の脳裏に神森神社の社と薄れゆく灯篭の明かりが浮かんだ。
うろ覚えの祖父の顔も。
そして、それらが一瞬で描き消えていくと、自分の身体がわずかに震え出した。
――まさか、こんな風に接触してくるなんて!
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