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施設での晩飯が終わって、小さい弟達が眠りにつくと俺は外へ出た。
冬の公園なんて、寒くて誰もいない。
だから、居心地が良かった。
特にこのトンネル遊具に寝転がると最高だ。
冷えたコンクリートが俺の体温を奪い、徐々に熱をもっていく。
幼い頃から暗闇が好きだった。
明るいと、見たくないものまで見えるから。
愛情の代わりにゴミが積もった安アパートの日常。
壁に掛けた下手くそな絵。
暗闇の中での遊びは、楽しかったことを覚えている。
大人になるにつれて、暗闇の遊び相手は、俺と遊んでくれなくなったけど。
トンネル遊具の暗闇なら、現れるのかも知れない。
だけど、満月でもないのに、明るい三日月と街灯が邪魔をする。
みぃ、みぃ……。
仔猫だろうか?
親猫を呼ぶ声が聞こえる。
くそっ、猫の世界も、育児放棄かよ。
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