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「もうすぐお父さんの誕生日だね」
箪笥の上辺りに壁掛けの大きめのカレンダーがあり、ある1日には赤のマジックで丸が付けてあった。
「生きてたら46?45?」
「46よ。私の4歳上だから。再来年が13回忌ね」
「早いねぇ・・。私もお父さんが結婚した歳迄には身を固めたいけど。
・・まぁ無理だろなぁ」
両膝を立ててソファーに座り、缶ビールを口に含む。
「あんたのそんな姿見てると私もあんたと同意見よ。
外にいるときはデキる女って感じするんだけどねぇ。家の中のあんた見てると息子3人だったかと思う時あるからね」
「でもいいじゃん。マサが私の代わりに色々と家のこと気ぃかけてやってくれるでしょ?」
「マサはやっと中学生になろうとしてるのに長女のあんたが末っ子に頼ってどうするのよ」
母親は娘の頭を音がほとんど聞こえない程度に軽く叩いてそう言った。
「マサはお母さんのフォローするでしょ。
そしてカズはマサのフォロー。
最後にお母さんは私のフォローする。
あっ、あとはカズが就職する迄は経済的に私が家のフォローする。
ほら、完璧じゃん」
「まぁ、そう言われればそうなんだけどね。あんたには助けてもらってるから。
ごめんなさいねっ、あたしが不甲斐ない母親なんでっ」
母親は冗談ぽくそう言った。
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