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 2階には部屋が2つある。壁を挟む形ではなく、短い廊下を挟むように作られていた。  姉の部屋と兄弟2人の部屋で別れており、男女間のプライバシーは保てるようにはなっていた。  兄弟2人の部屋を開けると正面には薄茶色の収納家具がドア側を向いて置いてあった。上がクローゼット、下が箪笥の一体型の物。  右手は(あわ)い白の壁、左手は水色のカーテン。壁と収納の間にカーテンを付けており、ドアを開けても中が見えないようになっていた。  母親が洗濯物を持って来た時などに息子達の空間に入らないような気遣いからの作りだった。  カーテンを開ければ目の前に2人使える大きさの勉強用の机が1つ置いてあり、右手には布団が2つ敷いてある。収納の後ろ辺りにはテレビが置いてあり、ゲーム等の収納もテレビ台を活用していた。  部屋に行くとカズはエアコンを入れた。 「やっぱ寒いね」  妙に嬉しそうな笑顔でカズは言った。だが、マサの表情は固い。 「・・うん。  ねぇ、僕ゲームしたいんだけど・・」 「あー・・。  じゃあゲームしてていいから俺はお前のいい?」  今度はカズの表情が固くなった。無理やり作った笑顔という感じだった。
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