4人が本棚に入れています
本棚に追加
1
脱衣場の鏡は白く曇っていた。
風呂場の扉は閉まっていたものの、見えない隙間があるのだろう。中からは湿気と共に、少年の声が微かに聞こえてくる。
だが、その声は脱衣場のドアを跨げば一切聞こえない。
「んっ・・、ふぅ・・」
マサは声が出ないようにゆっくりと息を吐きながら、鼻で息を吸い、なんとか呼吸をしていた。背中にはカズ。
カズはゆっくりとマサから離れると、風呂場の時計を見て言った。
「そろそろ風呂から上がらないと長過ぎるな・・。後で部屋でお前のだけいい?」
「え・・、大丈夫だけどもう何も出ないよ・・」
「それでいいから。その時俺のもやって」
カズはシャワーでマサの身体を洗い流している間、マサは時折口の中に唾を溜めてそれを吐き出すことを繰り返した。その内の数回は排水溝に流れることなく、違う場所に流れ入った。
最初のコメントを投稿しよう!