灰のように、砂のように

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 白い床に、白い雑誌──雑誌だったものが落ちている。叫ぶ代わりに大きく息を吸った。とにかく息が苦しい。目の前がぐらつく。脳が軋む。肺が狭まる。  気持ち悪い。  こんなときはどうしていた? この酷い体調の崩し方が何のせいかなんて、知ってるだろ。  足りない。あれを、もっと。  対処法も、知ってる。それが、身体を癒すものではないことも。  その色ほどに無垢でなく、偽りの安らぎで優しく餓えさせる。  さらさらと、俺の世界を造り替えて───
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