まーくん

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まーくん

祖父が建設業を営んでいたKさん。祖父にはその当時40がらみのまーくんという部下がいた。まーくんは独身の男やもめで、お世辞にも爽やかなタイプとは言えなかった。 職場が男社会で出会いの1つもないので、面倒見のよい祖父はまーくんを自宅の晩御飯に招待したり、旅行に同行させたり、可愛がっていた。(使いぱしりをさせられていたりもしたが) 「今思えばキテレツ大百科の勉三さんにそっくりだった気がするのよね。」とKさんは笑いながら言う。 苗字は忘れてしまったが「マサヒロ」を子供だったKさん達は「まーくん」と呼んでいたそうだ。 ある夏の日、小学生だったKさんは昼過ぎに下校して、自宅のマンションの階段を登っていた。2階の中ほどで件のまーくんと鉢合わせした。 驚いたが、彼は当時徒歩5分ほどの近所に住んでいたのでKさんの家に用事か何かで来て、帰るところなのだろうと解釈した。
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