他の人が好きになったと振られた俺は

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 目覚めたら目の前に久実子(くみこ)がいた。 「拓海(たくみ)君」  何故か別の男の名前を呼ぶ。暗くてよく見えないけれど、声で久実子だと分かった。 「久実子さん。いい」  俺の口から俺じゃない声が出る。  少しずつ目が慣れてきて、俺は仰向けで寝ている久実子を見下ろしていた。もちろんお互い服は着ていない。  なんだこれは? やっているのか?  それなのに、自分のものが入ってる感覚がしない。  他人のエロシーンを見ているような感じだ。自分の体なのに勝手に上下に動く。  ついに頭がいかれたのだろうか。あまりにもたまっていて、こんな夢を見ているのか?  そもそも、久実子とは先日別れたはずだ。  行為が終わると、それぞれシャワーを浴びる。風呂の鏡を見て俺は絶叫した。 「嘘だろーっ!」  しかし自分の口から声は出ない。  目の前の鏡に写っているのは、見たこともない男の姿だった。
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