エピローグ

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 そんなことを思い出しながら、今、目の前で買い物に来たぬっぺっぽうに乗られているライオンを見ながら壱花は言う。 「冨樫さん、銃、どうしてるんですかねー?」 「抱いて寝てるんじゃないか?」  そんな適当なことを言いながら、倫太郎は後ろでダンボールの中をゴソゴソ漁っている。 「なにしてるんですか?」  床に置かれたそのダンボールには当て物がたくさん詰まっていた。  クジ系の商品だ。 「……銃がついてるのがない」 と呟きながら、倫太郎は中身をポイポイ外に出しはじめる。  やたら冨樫さんを止めていたが、自分が欲しかったのか、と思いながら、 「……なんで男の人って、銃とか刀とか好きなんでしょうね」 と呟いたとき、入り口から入ってこようとしたサラリーマンが見えた。  わりとよく見る人だ。  頻繁に此処に来るとはストレスたまってるんだなと思いながら眺めていると、サラリーマンはガラガラと戸を開けたあとで、ぬっぺっぽうに乗られたまま寝ているライオンに気づき、ひっ、という顔をした。
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