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パフェはすでに、ほとんど倫太郎の手により、美しく出来上がっている。
あとは壱花の泡立てていた生クリームの飾り付けを待つのみだ。
「冨樫が来るぞー」
わかったわかった、と倫太郎は言い、生クリームを袋に入れ、たっぷりと絞り出す。
そこに少しかぶせるようにメロンをのせた。
しかし、やっぱり来たのか、冨樫さん。
突き放したように言ってはいたが、やはり、相当、お父さんのことが引っかかっているのかもしれないと壱花は思う。
「冨樫が来たぞー」
「あっ、さくらんぼ、のっけてませんっ」
「缶開けろ、壱花っ」
「はいっ」
「冨樫が覗いているぞ~」
壱花は振り向く。
真後ろに冨樫が立って、壱花たちの手許を覗いていた。
ひいいいいっ。
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