七月

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「日向さん、今日お昼一緒にどうですか?」  背後から突然芝田くんに声をかけられてビクッとする。 (キター!) 「私?私は大丈夫だけど…。芝田くん、いつも赤木と(こほんっ)赤木くんと安田くんとご飯じゃないの?」 「いいんです、あいつらもう先にでちゃったみたいなんで。それに僕一人で食べることも多いんです。」 「そう?じゃあ一緒に行く?いいの?私とで。」 「何言ってるんですか。僕ずっと芝田さんとゆっくり話したいなって思ってたんですから。」 (ズッキューン! 芝田くん、今の発言はヤバいです。興奮してしまうじゃない!会社で興奮したら目も当てられないわ。 そうだ、息を吸おう。) 深呼吸で落ち着きを取り戻した私は、芝田くんになんとか返事を返した。 「わ、私も、芝田くんとお話ししたい。」 (しまったー!なんかこれ、好意があると思われるような言い方じゃないの。) 「えっと、ほら。業務のこと、もう少し詳しく教えとかないとって思ってたの。」 あわてて付け加える。 「はい!僕も聞きたいことあるんでよろしくお願いします!」 (よかった。芝田くんあまり気にしてないみたい。私なんかに好かれても迷惑だもんね。)
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