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なみか 様作 宮木綾
綾のイラストを、なみか 様に描いて頂きました。https://estar.jp/pictures/25599707なみか 様 https://estar.jp/users/268217742
https://estar.jp/users/254671150
シーントーク:(出演:綾・料理長)
久し振りにベッドから起き上がることができた綾は、寝てばかりいて退屈だったストレスを発散するかのように厨房に立った。
ストレス発散する為には、得意なスイーツを作りまくるのが綾の定番になっている。
今出来上がったフルーツサンドを皿に載せると、綾は満足気な様子を見せた。
綾「出来た。今日の出来栄え、完璧!!俺、天才」
ショートケーキ、ザッハトルテ、エクレア、モンブラン、フルーツサンド。量産しまくられたスイーツの盛り合わせを片手に、その出来栄えを確認する。
綾「よし。じゃあこれ、ボディガード部隊の控室へ持って行ってやるか。部隊長とか、あんな怖い顔してるけど甘党だし。佐久間さん達はダイエットとか言いながらも食べてくれるし。王宮は好きなだけ作ってもスイーツ好きの人間が多いから、残ることはねぇんだよな。だから遠慮なく作れる」
いそいそと持って行こうとすると、傍で夕食の片付けをしていた料理長が、持って行こうと盆にのせられたスイーツを見分した。
この料理長は、綾の教育係であり、料理の師匠である。
腕前はというと、様々な料理のコンクールや大会で優勝を修め、世界的にもレベルが高いとされるスイーツの大会でまでも優勝し、パティスリー・ドゥ・ラ・グロワールという人間国宝と同等の称号を授与されている凄い人だ。この大会の主催は王家。ゆえに王家御用達の意味も持っていた。
料理長「馬鹿かお前。どこが完璧だ? ここ、デコレーションにムラがあんだろ。修行やり直しだ!!」
綾「あぁ? 何だよ料理長? どこにムラがあるってんだよ?」
料理長「ココだココ。ザッハトルテの側面。あんだろ? 一本、不器用で~すって主張したかのような筋が」
綾「ザッハトルテの側面だぁ?・・・ほんとだ。でも、言われなきゃ気が付かねぇ程の小さな筋だろ!! これくらい、どうってこと・・・ほら、味は変わんねぇし!!」
料理長「アホかお前。言ってんだろ? 人間と一緒だって。イケメンの方が女にモテんだよ。見た目ってのは大事だ!! 中身がどんなでも、見てくれ良けりゃ女に事欠かねぇんだよっっ!!」
綾「いや、中身大事だろ」
料理長「見てくれ良けりゃ全てよしだ!! でなきゃ食いつきが良くねぇんだって。やり直せっっ!!」
綾「やり直せったって、生クリームじゃねぇから簡単には直せねぇぞ? チョコレート、固まっちまってるし。上から塗り直してみるか?」
残っていたチョコレートをもう一度湯煎で溶かしてやると、慣れた手つきでリズムよくテンパリングする。
料理長「坊、リズム感ねぇな。手つきもなってねぇ。修行やり直し優待切符やるぞ」
綾「ちゃんと光沢出て来てんだから良いだろ? これで」
料理長「まだまだだ。ほれ、遠慮せずにこの切符を受け取れ」
綾「いや、遠慮する。それ、間違いなく地獄行きの切符だから。ほら、だいぶいい感じになってきただろ?」
つやつやと光沢の出てきたチョコレートを見せてやると、まぁこれならギリギリ合格か。と料理長が頷いた。
綾「で、これを塗って・・・」
料理長「おい坊、そんないい加減に塗んじゃねぇよ。均等に塗れ」
綾「いい加減じゃねぇって、ちゃんと均等だろ?」
料理長「ほぉ? 言ったな?」
そう言って、どこからかいそいそと定規を取り出し、その厚さを測り始める。
綾「その定規、どっから・・・・・・。ってか、そこまでするかよ」
料理長「1mmズレてるな」
綾「1mm違う? そんくらい、しょうがねぇだろ。どこまでの職人技を俺に求めてんだよ、料理長」
料理長「そのズレは美学に反するズレだ!! アホ弟子!!」
綾「定規で測らなきゃ分からんようなズレ、問題ねぇだろ!!」
綾の喚きを無視して、ザッハトルテの端を持っていたフォークを突き刺して掬い取り、味見する。
料理長「んでもって坊、これ何入れた? 酒の味が強ぇぞ」
綾「ブランデーちょっと多めに入れた。どんな味になるかと思って。味見したけど、結構いけるだろ?」
料理長「何がいけるだ。折角のチョコレートとココアの風味が死んでんじゃねぇか!! 見た目詐欺してんじゃねぇっっ!! 味大事だろ!! どんなに見てくれが良くても、不味きゃ食う気失せんだろうがっっ!!」
綾「さっき、見た目良けりゃ全てよしだっつった舌の根も乾く前に!!」
料理長「見てくれは大事だ!! そんなの当たり前だろ。イケメンだって女に事欠かねぇけど、中身がイケてなかったら速攻フラれんだよ!! 騙し切らねぇ限りはなっ!!」
綾「騙し切るって・・・・・・。いや、それよりさっきと言ってること違うぞ。中身はどうでもいいんじゃなかったのかよ?」
料理長「どうでもいいなんて言ってねぇだろ? 騙し切れるなら、フラれねぇから多少中身がおかしくてもいいが、これは騙し切れねぇからアウトだ!! ついでに、坊は兄貴達と違って単純で素直過ぎて中身を取り繕えねぇから、最初から騙そうなんてすんじゃねぇぞ。きっちり正面から行って当たって砕けてこい」
綾「砕けんの前提なわけ・・・・・・。一体どんな教育だよ、これ」
料理長「ああそうだ。中身の男前度上げるために、いいもんがある。今度、また菓子のコンクールがあるから、ちょっと行って優勝してこい。俺の弟子なら、簡単だろ?」
綾「は? ちょっと行って優勝してこいだ? 毎回言ってるけどさ、料理長。コンクールはおつかいじゃねぇっっ!!」
そして、結局地獄の修行に強制ご招待されたのだった。
高杜観覧感想文:
ウチの三男坊(綾)が、満を持してビジュアル化ぁぁぁぁっっ!!!!
最近、妙に綾の話題が出るなと思っていたら、バレンタインにポンっとこの素敵イラストが!!
そして、この間Twitterで見た美味しそうなケーキが乗っているではありませんかっっ!!誘惑だらけです(ジュルリッ)
そして見て下さい!!この好きなだけお菓子作りまくって、生き生きしたイケメンのどや顔っっ!!(爆笑)すごく特徴出てる!!さすが女神なみさん、もう、満足しまくってキラッキラしてますよ!!
瞳の色とスカーフの色も合わせて頂いて、バレンタインらしくイチゴのハートでラッピングまでして頂いて豪華で華やか!!
なみかさん、どや顔キラッキラな綾を、ありがとうございました!!
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