銀を持つ毒味役

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わたしが使われるのはとても偉い人みたい 食事の時、慌ただしく入ってきた人がいた すぐに飛ぶ叱咤と止める近衛兵の槍 大きな声で言われた言葉も聞くことなく連れていかれたのはどこ? まるで何もなかったかのように食事を続ける この場所しか知らないわたしにとって、普通のことだと思っていたのでした 「でもずっと辛そうだったから…痛みなんてなくても。テディ、きっと喜んでるしおれも直してくれて嬉しい」 「ならいいのだけれど…出来れば早いうちに、テディかティーを修復出来ればいいな もうここに来てかなりの時間が経つ。ここに居続けるのにも、限界があるよ」 ヴィンス様は言います わたしたちはずっとここに居続けることが出来ないと それはいつまでなのか 正確な時間はわからなかったけれど、わたしもいずれは…… 自分の手のひらを見る 黒い痣はまるでわたしを蝕むように広がっていた きっとこれはわたしのもの あの時、わたしは命を終わらせようとしたそれを見破って 用済みとなった わたしと同じ様に作られた食器達は皆、美しさと守りのために使われた 我が君を守るためにと わたしはお役に立てたの 満足 美しさの無くなった黒ずんだ体は誰にも必要とされない 「シル」 考え込んでしまったわたしの頭をそっと撫でるてのひら もし………ヴィンスがわたしをまた使えるようにしてくれるのなら その時はもっと、もっと大事に使って欲しい 次の主となる人が誰にも恨まれないような人であればいいと願っていました
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