俺のカラダと彼女の誤算

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人間ドッグを受けるというのは本当だ。 だが、近所のクリニックで受けた健康診断は特に何も問題はなかった。 もちろん、心のほうも。 今まで人間ドッグというものを受けたことがない(若いから)俺に 「若くても油断はいけない。何かあるかもしれないから、時間があれば受けてみるのも良い」と言われ、今回受けることにした。 ただ、彼女があそこまで動揺するとは思ってもいなかったが。 これは俺の嫌な予感が現実になってきているんじゃないだろうか。 今までの彼女のちょっとした言動、多分彼女は俺が気づいていないと思っているだろう。 いろいろと辻褄を合わせていけば、俺でも疑うことくらいにはたどりつく。 それでも可能性は低い、と考える俺の頭はどこかで彼女を信じたいという気持ちがまだ勝っているのだと思う。 「はーい、じゃあ今度は胃カメラですね」 「げっ、俺やったことないんですけど、これって結構きついんですよね」 「大丈夫、麻酔するので! ちょっとオエッってなりますけど、逆らわずに全部出しちゃってくださいね」 俺は、彼女に愛されているのだろうか。それとも、ただ彼女の「目的」のために利用されているだけなのだろうか。 それならば、人間ドッグをきちんと受けてくる。という今日のこの行動も無駄にはならないだろう。 「無駄、になってほしいのか……」 「? 何かいいましたか?」 「あ、いえ、なんか、眠くなってきました、ちょっと」 「おっ、ではこれを口に入れてくださいねー」 今はとにかく、早くこれを終わらせよう。 終わらせて結果を待つ間に、これからのことと彼女のことについては見極めていこう。
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