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『さて、まずはトイレ掃除ね。次はお風呂洗い』
「うっへぇ…。やらないとダメ?」
『だーめ。汚くてくさーーいトイレと、垢だらけのお風呂に毎日入りたいならいいよ。』
「やだ! むり、生きていけない」
『むしろ今までよくそれで大丈夫だったね』
「そりゃ、前の住民がキレイに使ってくれてたからだろ」
『まぁね。汚くなったところは大家さんがキレイにしてくれたみたいだし』
「な、気にならないだろ」
『それとこれは別でしょ。私は「汚部屋」に住むのはイヤよ』
「お……べやだと?」
一番の難関はどの掃除だったかなんて聞くなよ。
どれも嫌なところはある。
トイレは言わずもがな、お風呂は排水溝のヌメッっとしたなにがしが……。
あれは強敵だった。俺は素手では触れなかった。
ゴム手袋が救世主に見える日が来るとは思ってもいなかった。
その日は一日掃除をするだけで終わってしまった。
彼女は洗濯も済ませるつもりだったらしいが、それはまた今度のお休みにするらしい。
金曜日の夜にランドリー行って、洗濯物きれいにしたばかりだったしな。
そんなこんなで、俺の休日は当分自由にできる日がないらしい。
仕事のある日も2日に1回はお風呂の掃除をさせられるしな。
2日でも、結構髪の毛が排水溝にたまるということを知った。
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