家事とは

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彼女と出会って、すでに一カ月が経つ。 料理をするにはまず調理器具や必要最低限の調味料や材料をそろえてから……ということになり、俺は言われたとおりの買い出しを平日の仕事帰りにコツコツとこなしていた。 マンションの俺の部屋から出迎えてくれた彼女は、 そのたびに言われた通りの買い出しをしてきた俺を大層ほめてくれた。 多分、一回目の掃除用具をなかなか買ってきてくれなかったことを根に持っているのだろう。 実際の料理は時間がかかるだろうため、休日に行われることに……。 彼女は料理が好きなようで、早く休日にならないかなと毎日言っていた。 さて、その休日だ。 クッ〇パッドをスマホで見つつ、彼女に手取り足取り? 教えてもらったおかげで、俺の料理の腕前は爆上がりだ。 『爆上がりって何? こんなの、今どきの小学生でもできるからね』 「まぁまぁ、俺が卵焼きなんてすごい進歩だよ? ゆで卵も怪しかったのに」 『そうね、本当に電子レンジにそのまま卵を入れる人、初めて見たわ』 なんだかんだ言いながら、初日は卵焼きとほうれん草のお浸し、そして味噌汁を作ることができた。 彼女は『味噌汁の出汁はかつお節から!』派だが、そんなことを俺に求められても……という顔をしたら「だ〇の素」で勘弁してもらえた。 そうして少し料理に慣れた俺は、平日も毎日なにか一品を作る羽目に。 彼女に調教され、俺が一通りの家事ができるようになるまで時間はかからなかった。
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