彼女との生活を続けていると…

2/3
前へ
/14ページ
次へ
夜はしっかり睡眠をとっている方だ。 それなのに最近は職場でちょっとした気のゆるみを見せようものならうとうと。お昼休み、飯を食べた後に必ず眠気が襲ってくるようになった。 前はそんなことはなかったのだが……おかしいな。と自分で疑問を持つくらいには自分の体の調子が良くないことがわかる。 「せんぱーい、この企画書先輩が作ったんですよね? なーんかすっごい女性の気持ちを汲み取ってくれていて若干キモ……えー、先輩っぽくないというかなんというか……」 「おい、今「キモい」って絶対言おうとしたよな」 「えーっと、いやぁ……そんなことないですよ!」 「ったく……というか俺、その企画書6割くらいしか終わらせてなかった気がするんだけど」 女性の後輩が、俺に向けて自分のPCで開いた企画書を見せてくる。 おっかしーなー……確かに女性向けの企画書を作成していて、俺が女性の気持ちなんかわかるかよと若干投げやりになりながら頭を抱えて6割までは完成させていたものだ。 そこから先は、確かに後輩の言うとおり「女性の気持ち」がいまいちわからず、上司(女性)に相談・意見を求めながら作成をしようと思っていたもので、完成させた覚えがなく……。 手元にある企画書のデータを自席にある自分のPCでも開いてみると、そこには後輩に見せられた企画書と同じ、完成されたデータが出てきた。 最終更新日を確認すると、ちょうど俺が眠気と戦っていたはずの本日15時30分。 「あっれー? 俺、眠気と戦いながらこんないい企画書作ってたっけな―…」 「ちょ、ちょっとせんぱーい、眠気って。でも、私の席から先輩の後ろ姿丸見えですけど、別に船こいでた感じしませんでしたよ?」 後輩の席は俺の席の真後ろ、の正面にある席だ。俺のモニターが丸見えの位置にいる。 「それに、すっごい速さでタイピングして企画書作ってたじゃないですか」 おっかしーなー……
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加