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9話『縋る手』☆彡
康煕は指先で胸を撫で下ろし腹へ腰へと滑らせた。
そのたびに、千隼がビクッビクッと躰を震わせ小さな声が口から漏れ出る。
「ぁ・・・っ・・・ん・・・」
キスをしながら器用に制服を脱がせ下肢に手を這わせ、千隼の可愛い膨らみを手の中に収めた。
そして、ゆっくりと扱き始める。
「あ、や・・・・・・っ」
自分で触るのは入浴したときかトイレに行った時くらいしか触れないところを康煕に扱かれる現実に、力の入らない手で制しようとするが彼の腕に縋るような恰好になってしまう。
そんな千隼を覗き込むと唇を舐めて重ねた。
少しずつ理性を舐めとるかのように、どこまでも優しく、まるで擽るように。
「・・・・・・やめ・・・・・・、・・・・・・あっ、ん・・・・・・」
下半身の熱源は康煕の手のうちにある。包み込まれたまま扱かれると、ぬちゃっとした淫らな音が聞こえてきた。
まるで、耳朶に舌を這わされたかのように。
同時に、躰を内側から灼くような強烈な快感に襲われた。
「あ、やっ、もう・・・・・・、あ、あぁ・・・・・・っ」
康煕の胸に抱かれ、ぐずぐずにされ何も考えられなくなった千隼は熱を放ち意識を手放した。
康煕は彼が放ったものを舐め、男の色香を放つ。
(それにしても、いくら快楽に弱いとはいえ早くないか?この調子で最後までやってたら、こいつ息も耐え耐えなんじゃ・・・。まぁ、その日までじっくりと鍛えるとするか)
バッグからタオルと水を取り出し、名残惜しみながらも千隼の体を綺麗にしていく。
そして、衣服を正し彼を守るかのように抱きしめ内にある熱を長い溜息をともに吐き出した。
目の前には刺激に慣れていない幼馴染がいて、この異世界でゆっくりと快楽に染め上げていこうと密かに思うのだった。
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