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「みんな楽しそうだよね。高校生活満喫してるって感じでさ」
「何を他人事みたいに。あんたも高校生でしょっ」
遥名が間髪入れずチョップのツッコミを入れた。
軽めのチョップで全く痛くなかったけど。
そりゃ、カッコいいなぁって思う男子はいるよ。
でも次元違いすぎて、近づく勇気もなければ話しかける勇気もない。
それが憧れから恋に発展する、なんて漫画じゃあるまいし、あるわけない。
「ほら。いるじゃん。あんたのクラスにさ、なんだっけ。サッカー部の...」
名前をド忘れしているのか、遥名は両腕を組んで考え込み始めた。
「岡田蔵之介君?」
「あ、そうそう。時代劇に出てきそうな名前の、超イケメン!スポーツ万能!あんたをフルムーンだのスーパームーンだのからかってるやつ!」
遥名のサッカー部の、って言葉で一発で分かってしまった。
出席番号5番。小学1年生からサッカーを始めた。
身長182cm。体重67キロ。好きな食べ物はうどん。絶賛彼女募集中。
なんでこんな事知ってるかって?
入学式後のHRでクラス全員自己紹介の時、そんな事言っててクラスのみんなの笑いを誘ってて、あっという間にクラスの人気者になったんだよね。
インパクト強すぎて何故か覚えてる。
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