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その屋敷の真ん中。
襖で四方を囲まれた八畳ほどの部屋に、わたしは連れて行かれる。
真っ白な寝具が敷かれてあった。
特注誂えだろう。
ずいぶんと幅の広い、絹綿の布団が一組。
行燈とろうそくが、部屋の明かりだった。
電気は、ここまで通っていないのだろうか?
中に入るようにと、わたしに声を掛けたのは、なんと父だった。
「おとうさん……なんなの、これ? どうしてこんなこと」
わたしは甘えた声で縋りつく。
「ねえ、うちに帰して。わたし春から大学に行くのよね。女子寮に持っていくものだって、色々買ってくれたじゃない? スーツだって誂えてくれたでしょ」
でも。
「……これから、双子さまがおいでになる。ここで待っていなさい」
それだけ言い置くと、父はわたしの眼前でぴしゃりと襖を閉めた。
「待っていろ」と言われて、黙ってここに座っている義理もないのだ。
わたしは襖を引き開けようとした。
でもなぜか、それはビクともしなかった。
四面全部の襖を試したけれど、どこもまったく開かない。
わたしは閉じ込められてしまっていた。
一通り泣きわめいてから、わたしは、「いっそろうそくの火でも襖に投げつけてやろうか……」などと考える。
すると突然に、部屋の明かりがかき消えた。
窓ひとつないその部屋は、真に暗がりに沈んだ。
恐怖のあまり、冷や汗が噴き出る。
あたりが再び、ふわりと明るくなった。
そして気付くと。
目の前に男の双子が立っていた。
歳の頃はわからない。
ハタチか、その前後。
同じ顔、同じ姿をしたふたりの男。
ひとりは肩につくほどの長髪。もうひとりは短髪だった。
色は黒か濃紫の、羽二重を着流しにしている。
そんな年齢には全く似合わないような装いにもかかわらず、やけに着慣れた様子で、双子は、足袋のない素足で歩み寄ってくる。
「……え、ふたご、さま…?」
わたしは呆然と呟く。
短髪の方が唐突に、「僕は龍哉」と名のった。
そして長髪の片割れを指し示し、「弟の周哉だよ」と告げる。
そして、「じゃあ、腹を借りるよ」と言い、着物を脱ぎ始めた。
帯を解き締めこみを緩めると、双子は、スルリと一糸まとわぬ姿となる。
男性経験はなかったが、一般的な男の一物がどんなものかは、わたしも、うっすらとは知っていた。
だから。
双子の「男根」が、ともかく尋常ではない大きさであることは分かった。
グロテスクな「それ」には、恐怖しか感じない。
長髪の……「周哉」の方が近づいてきて、わたしのブラウスの合わせを左右に引きちぎる。
悲鳴が喉でくぐもった。
あらわになった胸元に、短髪の龍哉が顔を寄せる。
ペロリと乳首を舐められた。
繰り返し繰り返し、舌で抉るように弄られて、わたしのそこは充血して固く立ちあがり始めてしまう。
「ねえ、周」
わたしの乳首をくちびるで挟んで引っ張りながら、短髪の龍哉が言う。
「女のおっぱいってさ、コリコリしてる。先っぽが大きくなってイヤラシイね」
ジワジワこみ上げて続けていた快感が、一気にツキンと突き上げた。
わたしは、思わず声を上げる。
「あれ、シュウ、『借り腹さん』、おっぱいが気持ちいいみたいだ」
言って龍哉がニコリと笑んだ。
双子は大層な美男で、笑顔はとても甘かった。
その上、龍哉の笑い顔は言葉と同様、無邪気すぎるほどに無邪気だったから、「この男は、もしやすこし頭が遅いのでは?」とすら感じてしまうほどだった。
「ああ、すごくマラが勃ってきた。いい具合だよ」
龍が言う。
「股の穴に入れるんだよね。もういいかな、しても」
すると、長髪の「シュウ」の方が、わたしの脚の間に手を入れた。そして、
「ヌルヌルしてるし、たぶんいいんじゃないか?」と、自らの片割れ応じた。
「うん、ぼくもヌルヌルだ」と言って、龍が自分のマラをひとつ扱く。
じゅくりと音がして、透明な液がしたたった。
嗅いだことのない生臭い匂いが、ムンと立ち上って、瞼が、こみ上げる涙で熱くなる。
「やだ、や…いや」
裏返ってかすれる声で繰り返し、わたしは身じろぐ。
でも、龍の両手で腰を抑えつけられて、ろくに動けはしなかった。
シュウがわたしの膝をこじ開け、下着を剥ぎ取る。
龍があてずっぽうに腰を押し付けてきた。
大きく固い肉塊が、やわらかい場所を抉る。
引きつって擦れる痛みに、わたしは悲鳴を上げた。
「あれ、入らないよ、どこに穴がある?」
龍が、不満そうに口にする。
その腰を緩めさせて、シュウが「ここだろ?」と、わたしの膣に、ずぷりと指を突っ込んだ。
「ああ、そこか」と納得の声を上げて、龍がまた男根を押し当ててくる。
「…いたい、いたい、いやーっ、やめて…っ」
わたしは泣きわめく。
するとシュウが、
「龍兄、さっさと挿れろよ。痛がってウルサイ」と言い放つ。
「だって、狭くて入らない」
「もっと強くやれよ」
弟の声に押されるようにして、龍がさらに力を込めた。
ズブと、中に異物が入ってきたのを感じた。
それがめり込んだ瞬間に、多分、わたしの入り口は切れて血を流したはずだ。
遅れて激痛が走った。
悲鳴が張り裂ける。
「あ、ねえ、シュウ。すごい……すごいよ、なか、グチュグチュしてて、熱くて、ひだひだが吸い付いて」
腰を擦り付けながら、龍が息を荒らげる。
「きもち、い……、きもちいい、よぉ、すごい、きもちいい、オメコきもちいい」
龍が、身も世もなくよがり声を上げる。
その痴態を凝視しながら、周哉は、自分の巨大な陰茎をペタペタと掌で打ち据えた。
いま挿入されている男性器は、お腹のなかを抉り取られるような大きさのはずなのに。
わたしもまた、猛烈に「きもちがよく」なっていた。
擦られる内側がジンジンと痺れて熱く、もうどうしようもなくなる。
気づけば、しっかりと両脚に龍の腰を咥え込んで、
「ひっ、あ、あっ、あぁ、いい、い…い、もっと、じゅぽじゅぽして」とヨガっていた。
「ん、ひっ、もっと奥、おく……ぅ」
行き止まりを激しく突き上げられれば、そうされるほど、もっと刺激が欲しくてたまらなかった。
「もう、でちゃう、でちゃう、イクっ……いく…ぅ」
泣きそうに言って、龍がふと腰を止める。
中でジワジワと熱いものが広がっていくのを感じた。
「龍兄、早すぎ……」
シュウが苦笑する。
「一回出したなら、とりあえず代われよ」
うんと頷き、龍哉がマラを引き抜いた。
大きく固いそれにまとわりついていた内襞が、裏返ってズルリと体外に引き出されそうになる。
ひとつ、大きなよがり声が口をついた。
引き抜かれた龍哉の陰茎と周哉の陰茎が、眼前に並ぶ。
どちらも怖ろしいまでに大きかったが、二つはハッキリ異なっていた。
龍のものは、左にしなっていて、シュウのは逆に、右にしなっている。
そしてシュウが、わたしの膝をさらに大きく割って、自らのモノを押し当ててきた。
もちろん、わたしの膣の入り口と男根の大きさはまるで違うから、簡単には入らない。
でも、周哉は思い切りよく、わたしに腰を打ち付けて、一気に内に入り込んだ。
再び押し寄せた猛烈な圧迫感に、わたしの頭は真っ白になる。
ずぶずぶと、シュウがわたしを穿っていく。
顔が全く同じであろうが、髪が長かろうが短かろうが……。
このふたりの区別は、「入ってくれば」簡単につくのだと分かった。
曲がり方の違いで、「当たる場所」が、まるで違った。
シュウに突き上げられて、わたしは何度も「イク」。
イクというのが、どんなことか。
言葉でしかしらなかったけれど、これがそうだと、すぐに分かった。
龍は、わたしの胸をチュパチュパ吸っていた。
固く勃起したその場所の歯ざわりが楽しいのだろう。
乳首は執拗に舌でこね回され、前歯で食まれた。
そして、その刺激が、わたしには気持ちよくて堪らない。腰や腿が、びくびくと引きつり、声が止まらなかった。
シュウが、ズクリと、奥の奥まで抉る。
「あ、あっ、また…いくっ、いくの…いくぅ……っ」
無我夢中に叫んだら、自分の奥がぎゅうっとしまって小刻みに痙攣を始めた。
それに引きずられるようにして、とうとう、シュウが熱いものを放出する。
まるで、子宮がゴクゴクと液体を飲み込んでいるみたいだった。
ああ。「孕む」というのは、こういうことなのだと。
一歩も下りられないような絶頂を極めながら、わたしは、ただ確信した。
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