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その後も、わたしは双子にかわるがわる犯された。
気づけば、周囲は明るくなっていて、わたしは整えられた寝具の上に、真新しい寝間着を着て横になっていた。
目覚めたのは、もしかしたら「双子さま」の来訪の翌日ではなく、もっとずっと後だったのかもしれない。
いずれにせよ、わたしは身籠った。
そしてわたしは、そのまま、山奥の屋敷にとどまった。
四方を襖で仕切られた八畳間で――
「双子さま」に孕まされた部屋で、寝起きする。
暮らしの面倒は、許婚と父さんが足を運んで見てくれた。
それからというもの。昼も夜もなく。
わたしの身体は疼き続けた。
双子とのまぐわいが忘れられなかった。
一日中。
乳首をこねまわしながら、枕に陰部を擦り付けて、自慰を続けた。
許婚や父の前でも、それは止められなくて、
「ほしい、双子さまのマラがほしい、ズボズボして……」と繰り返し、何度もイキながらも、ろくに満足を得られず悲鳴を上げ続けた。
そんな痴態を目の当たりにしながらも、許婚はわたしに触れるでもなく、まるで小間使いのように雑用をこなすだけだった。
自慰をして眠り、時折、庭を歩く。
そんな暮らしを続けているのに、姿見に映る私の姿は、驚くほどに色つやが良かった。
下腹部のふくらみも、ごくわずかな丸みでしかなくて。
「双子」を身ごもっているとはとても思えない様子だった。
産み月が近づいた。
性の欲望は、高まるばかりだった。
ともかく、あの「マラ」に貫かれて揺さぶられたくて。
乳首を吸われてこね回されたくてたまらない。
おさまらない欲求に果てなく自慰を続け、疲れ果ててまどろんでいた夜半。
ふと、枕元に気配を感じた。
「やあ、『借り腹さん』。そろそろだね? 合図に来たよ」
龍哉が言って、屈託なく笑った。
わたしは飛び起きる。
そして、羽二重の合わせを開き、周哉の男根をあらわにさせると、堪らずそれにむしゃぶりついた。
「シュウ、借り腹さんったら、すごいね。僕たちのこと、待ち切れなかったみたいだ」
大きすぎて、とても口には含み切れないシュウのマラ。
ひたすらに、べろべろと舐め上げ、くちびるを押し当てて吸い付く。
そもそもが大きな男茎だった。
それが、刺激を受け、すぐさま、さらに質量を増していく。
「おい、龍兄のもしゃぶってやれ」低くシュウが言った。
「いいよ、僕はお乳を吸うから」
そう言って、かがみこむと、龍は寝間着の合わせに手を入れ、わたしの乳房を掴んだ。
既に乳を蓄えて張っている胸。
ぴゅと、水鉄砲めいて、白い糸のように乳が出る。
龍はそれを、面白がってから、乳房にしゃぶりつく。
乳首がコリコリと吸いだされる。
自分の指で弄るのとは比べ物にならない心地よさだった。
たまらず「あっ」と、ひと声あげて達してしまう。
「あれ? 借り腹さん、イッちゃった?」
屈託なく、龍が笑った。
そして、わたしの股を開く。
「ああ、ここもデカくなってるな」
自慰を止められないからつねに充血して膨らんでいる陰核を、周哉がギュッと摘む。
「あ、いくっ、いくの、ほしい、して……っ」
わたしは羽二重の裾を掴んで縋りつく。
「せっかちだなあ、借り腹さんは」
そう言いながらも、龍が自らを覆うものを下げた。
ダラリと垂れさがったかと思うと、龍の男茎は途端に脈打って勃ち上がった。
「して、して」とねだり続ければ、シュウがわたしを布団に押し倒す。
先に入ってきたのはシュウだった。
引き裂かれそうなほどの衝撃だった。
でもその痛みも、すぐにとてつもない快楽に変わることを知っているから、わたしは自分から進んで腰を押し付ける。
待ち望んだものに穿たれて、わたしは歓喜の悲鳴を上げる。
奥が激しく痙攣して、また達した。
こね回され、押し込まれ、わたしは幾度も幾度もイク。
あと頭にあるのは。
いつ、熱いほとばしりを受け止めることができるのか、それだけだった。
何度目か分からない絶頂のさなか、さらに奥に自らを押し込んで、とうとうシュウが果てる。
射精を終えると、シュウはひと息に、自分自身を引き抜いた。
じゅぽり…と、イヤラシイ大きな音がする。
そして続いて龍が、ずぶずぶと中に入り込んできた。
「久しぶり、またしたかった……これ」
無邪気に言って、龍は猛烈に熱く大きな局部を、わたしの奥へとめり込こませる。
「あ、気持ちいい、中、すごくきもちちいいよ、借り腹さんのなかね、シュウの『形』になってるよ」
「そりゃ…良かったな、龍兄」
周哉がほどけるように笑った。
「あ、もう出る、出ちゃう……」
「我慢して一緒にいけよ、ギュウギュウにマラを持っていかれる感じが、すげえいいぜ」
「んっ…でも、もう、ああっ……」
こらえ切れず、龍はすぐに放出を始める。
放った後も、龍の茎は緩みなく、固さと大きさを保っていた。
ほどなく、龍哉はまた、腰を動かし始める。
下腹部すべてが溶け出してしまい。
わたしは、なんども小水のようなもの漏らしていた。
でもそれは、普通の用足しとは違って、まるで射精みたいに激しいほとばしりだった。
そして、ひっきりなしに達し続けていたわたしの奥が、さらにその上の快楽を得ようと締まる。
龍哉の亀頭を掴み取るように。
「あ、あ、シュウ、吸い付かれる、ちんぽに噛みつかれるよぉ……」
鳴き声を上げながら、龍哉が大量の熱液を放出した。
それを吸い尽くさんばかりに、膣奥が蠢いて、わたしもイキまくる。
龍の腰を引っ張るようにして、わたしから引き抜き、またシュウが、自分を押し入れる。
「すげえ、ヌルヌル。龍兄、いっぱい出したな……」
そう言って、周哉が腰を激しく打ち付けてくる。
「あ、締まる、締まる」と呻き声を上げて、シュウもまた熱液を放った。
その時には、わたしの意識は、もうほとんどなかった。
そして――
ふと気付けば、部屋に双子の姿はなかった。
赤子もおらず、後産もなく。
ただ、精液にまみれた敷布が残されていただけだった。
その「産屋」の後始末は、夫と父がつけてくれた。
わたしが産んだはずの子供は、おそらく双子だったのだろう。
でも赤子に興味はわかなかった。
まったく。
わたしは実家に戻った。
残る役目は、次の「借り腹さん」を生むこと。
そして、許婚とわたしは、ひっそりと祝言を上げることになった。
仮にも大地主の一人娘の結婚だというのに、一体、どういう体裁でそうできたのか。
式も宴もごく内輪のものだった。
だが、なされるがままに白無垢を着せられたわたしにとって、そんなことは、もはやどうでも良かった。
わたしはただ、家の奥座敷へと引きこもる。
もう何もできはしなかった。
身体は爛れきっている。
ひたすらに「双子さま」を待つ夜が続いた。
けれど、ふたりの訪いはなかった。
あの「交尾」を欲して、わたしは狂いそうに悶える。
自堕落に、手淫に耽って疲れ果てればまどろむ日々。
なのに、姿見に映し出される自分からは、若さも美しさも、まったく損なわれてはいないのだ。
どうやっても、満足できない欲望。
疼いて止まらない場所に、なんらかの「手当て」を施してもらうために頼る相手は――
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