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「んー、もうちょっとなんだけどなぁ。」
備品倉庫で、ここマリアゴルド国王女ヒンニィ付きの侍女ナリアは爪先立ちになりながら目一杯背伸びをして棚の上にある箱を取り出そうとしていた。
あと数センチで届きそうだが、もう少しのところで手が届かない。
自分の横着加減に嫌気がさし、背伸びをするのを諦めて踏み台を持って来ようと思った時だった。
背後から影がかかったかと思うとふわっと温かい感触が感じられ、それと同時に自分が今取り出そうとした箱が目の前にやって来た。
「取りたいのはこれで良かったか?」
ナリアの頭上高めのところから、低く響く穏やかな声が聞こえて来た。
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