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遠く離れた家族の事が恋しくなる事もあり、そんな時はお城の裏山の高台にある大きなケヤキの木の下でひっそりと涙を流していた。
豊かな緑に囲まれていると、家族と過ごしていた頃を思い出し安心する事が出来た。
そしてその場所からは騎士団の練習場が見え、日々鍛錬に励む騎士団員たちの姿が垣間見えた。
何気なくその様子を見ていると、自分も頑張らなくてはと背中を押してくれている様な気持ちになれた。
そんなある日、ナリアがこっそりとしゃがみこんで顔を伏せてケヤキの木の下で泣いていると、ふわっと温かな感触が頭に感じられた。
驚いて泣いたままの顔をあげると、そこには自分よりも一年程早くお城へと上がり騎士団に入団した2歳年上のアサドの姿があり、不安そうな顔をしながらも自分の頭を撫でてくれていた。
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