白い花

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それから時々、アサドはこのようにナリアの事を慰め、ナリアもケヤキの木から見える騎士団の練習場で頑張っているアサドの姿を見ていると自分も頑張らなくてはと奮闘できた。 そしてアサドは持ち前の才能と血の滲むような努力を積み重ね、若干20歳の若さで騎士団長に就任した。 これはマリアゴルド国始まって以来の快挙でもある。 ナリアはそんなアサドを始めこそ兄の様に思っていたが、いつの間にかその気持ちは多感な時期に差し掛かると恋愛感情へと変化していった。 歳を重ねお互い多忙になり、子どもの頃の様に気軽に会う事は出来なくなっていたが、食堂などでたまたま鉢合わせたり、遠くに姿が見えるだけでもナリアの胸は高鳴り、心が安らぐ瞬間でもあった。 そんなナリアも外見内面共に美しく成長していき、いつしか影で親衛隊が出来る程になっていた。
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