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 あーあ、当てが外れちゃったな。  小園七海は、自室のベッドに寝転がって考えていた。  いい男がいるかと思ってサークルの旅行に参加してみたけど、大江ってイケメンの子には「彼女がいるから」ってきっぱり断られた。それでもいいじゃん、と迫ってみたら、笑顔で「しつこいよ?」だって。笑顔が怖いってどういうことよ。  だったら、とお金持ちの中津先輩に乗り換えようとしたら、湖に落ちて死んじゃった。  女子の先輩達はなんかやたら構って来るし。女子会しようとか皆で言われたら、断われないじゃん。おかげでベロベロに酔っちゃった。正直ウザいよ。  他には目ぼしい男子もいなかったし、もうサークル辞めちゃおうかな……。  彼女は知らない。自分が守られたことを。恐らくこの先ずっと、知ることはない。       ◇ 『……そうか。まあおまえならそうすると思ってたよ』  電話の向こうの声に、大江賢治は苦笑した。 『でもこれ、本人達にはある意味一番残酷な結末かも知れねーぞ』 「……判ってますよ」  賢治は答えた。彼女達はいつか、罪と言う名の霧に迷うのだろう。でも少なくとも長谷川さんには、その覚悟はあると思えた。  窓の外には霧が出始めていた。明日もきっと、目覚めたら真っ白な朝が来るだろう。  真実を隠した、白い朝が。
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