彼女の手作り 後編

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洗濯がひと段落終わった彼女と一緒にお茶を啜る。 「そういえば、そんなこともありましたねぇ、フフフ」 美香とはもう50年近く一緒にいることになる。 奇想天外な発想と、天性の天然さにいろいろ驚かされたが、 そのマフラーにしても、いい思い出である。 美香は思い出したように立ち上がると、 押入れから何やら持ち出してきた。 「はい、あなた」 不意に差し出されたやや大きな袋は、可愛くラッピングされていた。 『何、コレ』 「プレゼント」 『何か記念日だったかな?』 「ううん、ただ気になったから買ってみたの」 『ありがとう。今度こそマフラーかな?』 「私、編み物だけは苦手だからね。でもマフラーじゃないわよ」 今度は何だろう。 以前のようなインパクトはないだろうが、やや期待して封を開けてみる。 そこにはシャラシャラとした音がする物体が入っていた。
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