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「待って、まだ、あああああ! やあああ! あ、ア、ぁ、ああ!」
「今日は存分に俺の事を教えてやる」
「ひ、ゃ、ぁ……ん、ン!! うああ、あ、アああ!!」
僕が上半身を寝台に預けると、今度は太ももを持ち上げて、寝バックの体勢からシオンが貫いてきた。僕は髪を振り乱して、ボロボロと泣いた。気持ちの良い場所に、また違う角度から、シオンの陰茎が当たる。いくつもの快楽の本流に、僕の理性が霞んでいく。
「いやああ、あ、あ、あああ!」
「――嫌か?」
「気持ち良すぎておかしくなる、あ、あ、うあああ!!」
露骨にシオンの陰茎の形を感じながら、僕は嬌声を上げた。
その日――僕はシオンに抱き潰された。
翌日も僕はお休みだった。それが幸いだった。目が覚めた僕は、喉がカラカラに乾いていて、全身が鉛のように重く、身動きが出来なかった。ぼんやりと瞼を開けると、隣に寝転んでいたシオンが僕を見た。そして微苦笑すると、優しく僕の頭を撫でた。
……初めての体験ではあるが、シオンは絶倫だと僕は確信した。
「の、ど……」
「ほら、水だ」
いつの間に用意していたのか、ベッドサイドからグラスを手に取り、シオンが僕に水を飲ませてくれた。すると一気に喉が癒えた。一息ついた僕は、力の入らない体を必死に起こそうと試みる。しかし無理で、僕は再び寝台に沈んだ。
「無理をさせてしまったな」
「ううん……」
実際には、確かに無理をしたとは思う。だけどそれ以上に、シオンと一つになれた事が、とても嬉しい。だから僕は、両頬を持ち上げた。シオンはそんな僕を見ると、優しい顔をした。
シオンが処理をしてくれたらしく、僕の体は綺麗になっていた。その後僕達は、ずっと寝台の上で雑談をしていた。
「悪かったな、本当に」
「謝らないで。僕は、嬉しかったから」
「――正直な話、ずっと嫉妬していたんだ」
「え?」
「スカイに」
「どうして?」
「バリタチだと豪語しているのを聞いた事があった上に、お前と同じ方角に、一緒に帰った事があるだろう? その姿を見た記憶から、関係を勘ぐっていたんだ。家が同じ建物だとは思っていなくてな」
確かに僕はたまに閉店まで『苔庭のイタチ亭』で過ごすので、そういった日にスカイが早く上がった場合、共に帰宅する場合もある。見られていたというのも驚いたが、何より嫉妬……僕は、そんな場合ではないのだろうが、喜んでしまった。
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