ギルドの受付の誤想

10/12
81人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「待って、まだ、あああああ! やあああ! あ、ア、ぁ、ああ!」 「今日は存分に俺の事を教えてやる」 「ひ、ゃ、ぁ……ん、ン!! うああ、あ、アああ!!」  僕が上半身を寝台に預けると、今度は太ももを持ち上げて、寝バックの体勢からシオンが貫いてきた。僕は髪を振り乱して、ボロボロと泣いた。気持ちの良い場所に、また違う角度から、シオンの陰茎が当たる。いくつもの快楽の本流に、僕の理性が霞んでいく。 「いやああ、あ、あ、あああ!」 「――嫌か?」 「気持ち良すぎておかしくなる、あ、あ、うあああ!!」  露骨にシオンの陰茎の形を感じながら、僕は嬌声を上げた。  その日――僕はシオンに抱き潰された。  翌日も僕はお休みだった。それが幸いだった。目が覚めた僕は、喉がカラカラに乾いていて、全身が鉛のように重く、身動きが出来なかった。ぼんやりと瞼を開けると、隣に寝転んでいたシオンが僕を見た。そして微苦笑すると、優しく僕の頭を撫でた。  ……初めての体験ではあるが、シオンは絶倫だと僕は確信した。 「の、ど……」 「ほら、水だ」  いつの間に用意していたのか、ベッドサイドからグラスを手に取り、シオンが僕に水を飲ませてくれた。すると一気に喉が癒えた。一息ついた僕は、力の入らない体を必死に起こそうと試みる。しかし無理で、僕は再び寝台に沈んだ。 「無理をさせてしまったな」 「ううん……」  実際には、確かに無理をしたとは思う。だけどそれ以上に、シオンと一つになれた事が、とても嬉しい。だから僕は、両頬を持ち上げた。シオンはそんな僕を見ると、優しい顔をした。  シオンが処理をしてくれたらしく、僕の体は綺麗になっていた。その後僕達は、ずっと寝台の上で雑談をしていた。 「悪かったな、本当に」 「謝らないで。僕は、嬉しかったから」 「――正直な話、ずっと嫉妬していたんだ」 「え?」 「スカイに」 「どうして?」 「バリタチだと豪語しているのを聞いた事があった上に、お前と同じ方角に、一緒に帰った事があるだろう? その姿を見た記憶から、関係を勘ぐっていたんだ。家が同じ建物だとは思っていなくてな」  確かに僕はたまに閉店まで『苔庭のイタチ亭』で過ごすので、そういった日にスカイが早く上がった場合、共に帰宅する場合もある。見られていたというのも驚いたが、何より嫉妬……僕は、そんな場合ではないのだろうが、喜んでしまった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!