ギルドの受付の誤想

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「ん」  続いて深いキスをされた。うっすらと開けた僕の口腔に、シオンの舌が忍び込んでくる。そうして僕の歯列をなぞると、舌を絡めとった。荒々しいキスに、僕は息苦しくなる。これまで誰かとキスをした事など無いから、息継ぎの仕方が分からない。 「あ、ハ」  唇が離れた時、僕はぐったりと、シオンの腕の中に倒れ込んでしまった。僕を抱きしめるようにして支えたシオンは、今度は僕の額に口づけた。 「お茶よりも、ロイスが欲しい」 「……」 「俺のものだと、しっかり確認したいんだ。正直、既成事実も欲しい」  羞恥に駆られた僕は、ギュッと目を閉じてから、小さく頷いた。  その後、寝室へと移動し、僕は寝台に座った。シオンは上着を脱ぎながら、僕を見ている。僕も、シオンと一緒に寝るかもしれないと考えていたから、既にお風呂には入っている。最初は僕の意識のしすぎかと思ったが、この状況になって、体を洗っておいて本当に良かったと思った。  僕が眺めている前で、シオンが香油の小瓶を取り出した。僕は真っ赤になったままそれを見ていた。ベッドサイドに小瓶を置いたシオンは、それから僕を優しく押し倒した。  こうして夜が始まった。 「あ、ァ……」  じっくりと香油で慣らされた後、僕はシオンの楔を受け入れた。ゆっくりと挿ってくる陰茎は巨大で、指とは全然異なる。熱く脈動するシオンの陰茎が進んでくる度に、僕は息を詰めた。ギュッとシーツを握りながら、僕は正面にあるシオンの顔を見る。 「辛いか?」 「平気……ぁ……ぁァ……ん!」  根元まで挿ってきた時、僕は思わず目を閉じた。睫毛が震えたのが自分でも分かる。生理的な涙がこみ上げてきた。結合部分が熱くて、全身が蕩けそうだ。じわりじわりと熱で炙られるように、僕の体は昂められていく。  シオンは一度荒く吐息すると、僕の頬を撫でた。 「少し力を抜いてくれ」 「で、出来な……ああ! あ、ア」 「きついな――初めてか?」 「う、うん……っ、ひぁ……ん、ぅ」 「馴染むまで待つから、ゆっくりと息をしてみろ」 「あ、あ……っく」  言われた通りに、僕はゆっくりと呼吸した。動きを止めたシオンは、指先で僕の涙を拭ってくれた。全身が汗ばんできて、僕のこめかみに髪の毛が張り付いているのが分かる。その内に、体を熱が絡め取った。 「あ、あ、あ……んッ、う……ああ、ア……」 「もう動いても平気そうだな」 「う、うん……あああ!」  シオンが抽挿を始めた。最初は緩慢に、そして次第に動きが早くなっていく。香油が立てるグチュリという音が恥ずかしくて、僕は耳を押さえたくなった。しかしそれ以上に初めての快楽のせいで、訳が分からなくなってしまいそうで、それが怖くて――シオンの首に抱きついてしまった。だから両手は使えない。
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