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始まりはいつからか、そんな疑問が頭の中で当然のように浮かび始める。
それが鮮明に現れようとする、その直前に、私は不安定な砂の大地に足を奪われてしまいそうになり、慌てて軌道を確保する。
仕切り直し、また歩を進めていくごとに、軌道は安定し、再び空っぽの頭が何かの疑問に行き着こうとする寸前、またもや砂の大地がそれを阻止するのだった。
そんな堂々巡りを繰り返すのももう何度目だろう。
無心、無心と、私は自身の内面にある無色透明のガラス細工のような心を、ただ磨いていくことしかできなかった。
始まりも終わりも、砂漠も、私の足取りも、全てが不安定な世界だった。
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