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暑くもなく、寒くもない。
奇妙な世界は温度らしい温度を肌に感じることはなく、それがまたこの世界の無味乾燥な具合を増量していく。
天を見上げれば太陽は輝いているが、不思議とその位置を変えることはなく、常に私の真上にあった。
太陽の光は私を温めはしない。
人口のライトのように、明かりだけを提供する温度のない日光は、不気味だった。
光と温度はどこまでも、焦燥的だった。
あまりの灰色は、人の精神を黒く染めていくだろう。
しかし、歩き続けることだ。
止まらないことだ。
その行動ひとつで、私はまた無心に返り咲く。見えない希望を、片隅に置いている。
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