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新たに始まった第2の足跡は、私とほぼ同じ行動を示していた。
理想の足跡の隣を、その足跡は追いかける形でできあがっている。
それも、平坦な地に突然湧き上がったように、急な痕跡が残っている。
足跡の一歩目が途端に始まり、その前には誰かが座った跡だとか、誰かの余韻を裏付けられるものなど何もない。
突然の始まりなどあり得ない。
しかしその足跡の形は、今まで砂漠を歩んできた、まさしく人間の痕跡だった。
今まで追いかけてきた理想の足跡とは違い、歪な形、不均等な間隔は、私のそれを思わせた。
きっと、私の足跡も、こんなものだろう。
あまりにも無様であった。
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