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正体
コンコンと車の窓をたたく音がする。
今日はおかしなことばかりだ。盗聴も盗撮も反応しない。運転手は窓を下げる。
「どうしたんですか?」
男は言った。
「終わりですよ」
渡邉優子はシュッと男の喉に手套をいれる。
「ぐ」男は息が一瞬止まり治った時にはドアを開けられ手足をガムテープで縛られた。最後に口にも貼られる。
そこで渡邉優子はいなくなり渡邉達也が男を持ち上げる。そのまま夫婦の寝室まで運ばれた。終わった。畜生。
「笹木さん、あなたが変態ストーカーだったのですね」
優子は言った。
「これが笹木?」
「これが笹木」
「変態ストーカー、私とセックスしたくて擬似セックスしてたんだ?優子のオマンコはあんたを嫌いなの」
優子は可愛いらしく言ったが目は怒ってる。
「もしかしたら」
俺は気になっていたことを優子の耳に囁く。それは、笹木が優子のジャケットを店に出したのはわざとで、俺と優子が離婚するのを画策したのでは?ということだ。
それを、聞いた優子は笹木に言った。
「私と達也を離婚させるように画策したの?ジャケットを一緒に出して」
「そうだよ、私は優子さんに贅沢三昧の生活をさせてあげられる」
笹木は言った。ニヤニヤしている。
「贅沢三昧が幸せなのか?」
俺は言った
「当たり前だろ」
笹木は言った。可哀想な男だ。贅沢三昧が幸せか。
「贅沢三昧した結果ストーカーになるのよ、何でも手に入れて我慢する事を知らないから」
優子は俺の言いたい事を言った。
寝室は静かだった。笹木はベッドを見ている。
「笹木さん、ここでセックスしてんのかぁなんて考えて興奮してるんじゃないですか?」
優子は冷たい目で笹木を見る。
「そうだよ、このダブルベッドで優子は喘いでいる、たまんないよな」
笹木は言った。優子?呼び捨てかよ変態。
「檻の中で考える事になる」
俺は言った。
「おい、俺は権力もあるんだぞ」
「その為に権力に平等の警察がいるのよ」
「パパー警察来たよー」
一階から司が叫ぶ。
「上にいるから来てもらって」
優子は答える。俺は紙袋を出して笹木の側に置く。
「この紙袋の中は盗撮機や盗撮機がどこにあったかの写真と実物の盗聴機と盗撮機だ」
俺は言った。やがて警官が二人やって来た。俺と優子は事情を説明する。
笹木は警官に連れていかれた。
俺と優子と司は外にいた。
笹木を乗せるパトカーが去っていくのを見た。
「終わったね」
優子は微笑む。
「優子、テレビだったらピーの言葉結構言ってたなぁ」
俺は笑った。
「え、そんな事ないよぉ」
優子は赤くなりながら否定する。
司はそんな両親を見てニッコリした。
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