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長い髪を下ろし、ルドーニに預けて軽く眼を閉じたヴァフィラは、時折熱い息を吐いていた。
髪を梳るルドーニの大きな手。
その熱が肌に触れると、ぞくりとくる。
髪を梳かす動きが、やけにエロティックに感じられる。
「ヴァフィラ」
「な、何だ?」
「誕生日プレゼントだけど」
「プレゼント? それはアップルパイじゃなかったのか?」
そのつもりだったけど、とルドーニは大きく髪を梳かした。
「プレゼントは俺、ってことにしちゃダメ?」
かすれたルドーニの声が、ひどくセクシーだ。
ヴァフィラは我知らず、唾を飲んでいた。
「それは……、嬉しい贈り物だな」
「嬉しい? ホントに?」
「ああ」
ヴァフィラはそう言うと、髪を梳くルドーニの手を握って向かい合わせに振り向いた。
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