497人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、琉心はどこにいるの?」
とりあえずリビングで話そうというハルトの提案に乗って、私たちはリビングのL字型のソファに座っていた。
テーブルの上にはペットボトルやらお菓子の袋が開いた状態になっている。
「えーっと、琉羽ちゃん?」
「……はい」
ハルトに名前を呼ばれるだけで、なんだか緊張してしまう。
しかも相手は女の子に人気のAirだ。男の子に免疫のない私にはハードルが高い。
「琉心、いないんだよね」
「……へ?」
ハルトが困ったように眉を下げて笑う。私は意味が分からなくなってハルトに尋ねた。
「どこかに出かけたとか?」
「うん、いないってことはそういうことだね」
「コンビニ?」
「うーんと、朝からいないんだよね。俺らも連絡つかなくて困ってたとこ」
「……そういうのって、よくあるの?」
「そんなのこっちが聞きてえよ。おまえの弟は何なの? 雲隠れすんのが趣味なの?」
アオイは琉心と連絡が取れないことが不満なのか、私を責めるような物言いをしてきた。
最初のコメントを投稿しよう!