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「おはよー。るーちゃん、準備バッチリだね!」
次の日、朝一番に家に来たのはユーリだった。昨日よりさらにテンションが高くて、今日の写真撮影にワクワクしてるんだって分かる。
そんな私もユーリみたいに楽しみにしている余裕はないけれど、気になり過ぎて随分早くからロングヘアの髪をまとめてウイッグをつける練習をしていた。
「おはよ……」
「あれあれ、寝不足ー? もしかして緊張してる?」
ユーリをリビングに通すと、勝手知ったる家といった感じで、ユーリはソファに飛び乗った。
男の子と二人きりなんてとんでもないと思っていた私だったのに、昨日はアオイと二人っきりになってしまったし、だんだんそんなこだわりはどうでもよくなってきた。恐るべし順応力。
今日のユーリはふわふわの髪を片方だけ、耳の横で編み込みにしている。自分でやってるとしたら器用だなあと思う。
ぴょこんと出ている耳にはピアスが三つ見えていた。その中のひとつに小さな青色の石が光っているのに気づく。
「それって、ラピスラズリ?」
何気なく質問すると、ユーリは目を丸くした。
「それ、リュウも言った! やっぱ双子だね~。シンクロ率高い!」
そう言ってケラケラ笑うユーリは何故か嬉しそうだった。私の中に琉心の面影を見つけるのが、嬉しいのかもしれない。
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