497人が本棚に入れています
本棚に追加
「願いを叶える石ってヤツ? 誕生日に女の子からもらったんだ~」
「……あ、そう」
女の子ね。彼女とは言わないのね。軽いなぁ。
ラピスラズリの和名は琉璃とも書く。私と琉心の名前に入っている漢字。
だからつい反応してしまったんだ。それはきっと琉心も一緒だろう。
「アオイもつけてるよ」
「え? ラピスラズリ?」
「そうそう。アオイはほら、名前が『蒼唯』だから。青い石」
「……へえ」
「リュウもつけてるし、ハルトもお揃いでって、メンバー全員つけてんの」
「……」
実は私もラピスラズリのペンダントを身に着けている。それは十六歳の誕生日にお母さんから送られてきたもので、校則では禁止されているけれど、制服の下にこっそりつけている。今も。
けれどお揃いみたいに言うのが気恥ずかしくて、ユーリには言えなかった。
琉心が身に着けているものもきっとママからもらったものなんだろう。琉心があんな金髪みたいな頭になって変わっちゃったのかと思ったけれど、本質的なところはやっぱり変わっていないんだろうと、少し安心した。
その後、ハルトが来て琉心の部屋から衣装を探し出してくれた。ダボっとしたユニフォームみたいな素材の服は、私が着ると余計にぶかぶかだったけれど、身体の線が出ない分、女の子だってバレにくそうで、ありがたかった。
最初のコメントを投稿しよう!