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3.すぐにまた会える
レオ様は決勝大会を楽しみにしてると言った。
ということは、Airを失格にするつもりはないっていうことだと思う。きっとあれは秘密を守ってくれるっていう合図だ。
Airの写真撮影は順調……、とまではいかないものの、なんとか無事に終えることができた。というのは、私が顔を写すまいと俯くのと、カメラマンさんがなんとかキャップの影を顔に入れないように撮影しようと、顔をあげさせようとする攻防があったせいで、撮影が予想以上に長引いてしまったからだ。
攻防と言っても私はしゃべれないので、ひたすら他メンバーがリュウは顔を晒したくない、顔で売りたくないんだと、アレコレ理由をつけて庇ってくれた。
おかげでアオイがセンターで前面に顔を出すことになり、「俺だって顔でなんか売りたくねえよ」って不機嫌になったりで大変だった。
反面ユーリは「俺は顔で売ってもいいけど~」とノリノリだったけれど、そもそもAirのセンターで踊っているのはリュウとアオイなので、写真だけユーリがセンターなのはおかしくないかというスタッフさんの指摘により、結局アオイがセンター、その斜め奥に私ことリュウ、両サイドにハルトとユーリが立った。
私はアオイの後ろにあった白いブロックに腰かける形を取ったことで、本物のリュウとの身長差も感じさせずに撮影することができた、と思う。
なんとか終わった……、とスタジオの入ったビルを後にする頃には、気を張っていた疲れがドッと出た。いい加減キャップとウイッグも取りたい。家に帰ってシャワー浴びたい。
そんな思いでサッサと会場を出てきたのに。
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