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プロローグ
雪は白銀に積もれば美しい。
花は咲けば綺麗。
ならば、溶けない汚れた雪はどうだろう。
邪魔になったそれを美しいと誰が思うだろうか。
ならば、蕾のまま枯れる花はどうだろう。
たとえ咲かなくても花は花なのに。
人は、気が付かぬうちに それらを無意味のものとして選り分け捨てる。
「いらないもの」として、捨てられたあの子の
凍りついた心を溶かすのは、純粋な愛か、それとも……。
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