わしづかみの11月~Shiho

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「佐夜は榊くんのこと、好き、なんじゃないの?」 思わず、聞いてしまう。 聞いた私が何故かどっきどきだ。 「んー。そりゃ、嫌いなわけないよ。 でも、その、好き、の意味がね、よくわからない……かな。」 佐夜は戸惑うように言った。 「私ね、今のこの心地よさをね、手放したくないの。まだ。」 そっか……と思った。 佐夜は今の状態を壊したくないんだ。 改まって好きだの付き合うだの話になって、今の関係が変わってしまうのが嫌ってことなのかなー。 私はわかったようなわからないような気持ちを抱きながら、話を戻す。 「でさー。その二人の時間を私が邪魔するのは心苦しいんですけど。」 「あ、でも、志穂だけじゃないよ。」 佐夜の言葉が理解できず、へ? と間抜けな声を出す。 「私は私でね、ソウの友達に会いたいの。 やっぱりお礼を言わないといけない人なの。」 あぁと思いつく。 佐夜が榊くんを探しに榊くんの街に行った時。偶然、榊くんの友達に会えて、消息を聞くことができて、辿り着けたんんだって言ってたな。 その人のことかな。 「4人で会えたらなーって話になってるんだけど……。 どう?」 佐夜と榊くん、二人のところに入るよりは、もう一人誰かがいた方が助かる……かな?
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