10人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
*
「サヤ!」
駅の改札を出るなり、爽やかな笑顔のイケメン・榊くんがブンブン手を振って近づいてくるのにまずびっくり。
「ソウ!」
佐夜が嬉しそうに駆け寄って手を伸ばし、榊くんも同じように佐夜に手を伸ばし、二人が指を絡めるように手を合わせた場面を見て、さらにびっくり!!
これでつきあってないとか……よく言うわー。
「走、恥ずい。」
榊くんの後ろから、苦笑した男子が一人、近づいてくる。
その声に弾かれたように、榊くんと佐夜は手を離した。
「悪い。つい。ま、いつもの挨拶みたいな?」
後頭部をポリポリかきながら言い訳する榊くんの顔、ほんのり赤い。
うっ……かわいい。
なんか、幼い感じの人なんだな、榊くんって。
佐夜もほんのり頬を染めてる。
うっ……こっちもかわいい。
「二人の時にしてくれよ。
人の目も気にしろ。」
やれやれというような仕草で、榊くんに話しかけた男子くんが、佐夜と私の方を見て微笑んだ。
「初めまして……とお久しぶり……だね?
山野井秀平っていいます。どーも。」
榊くんも身長高いけど、この人も同じくらいあるなー。
二人が並ぶとそれはそれで……。目の保養になるかも。
銀の割と細いフレームのメガネをかけた山野井くんも、結構カッコいい顔立ちしてない?
それよりなにより、山野井くんは柔らかい雰囲気の人だった。
榊くんもなんだよなー、柔らかい感じ。
「……どことなく似てる……。」
思わず呟いてしまった私に、榊くんと山野井くんが、えっ?と目を見開く。
「あ、私もそう思った。」
佐夜が同意する。
そうだよね。
何かこの二人、どことなくまとってる空気感が……似てる。
「どこがー?」
榊くんは心外というように疑問形。
「背の高さぐらいじゃね? 似てるの。」
山野井くんも榊くんに同調しているけど……。
「何か雰囲気というか……空気感が。」
私の言葉に二人は顔を見合わせる。
最初のコメントを投稿しよう!