わしづかみの11月~Shiho

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「まぁ……それくらいなら許せるか。」 山野井くんの言葉に榊くんも頷く。 許せる? 許せるって何? 「あー、俺らさぁ……。」 山野井くんが私の視線に気づいて説明してくれる。 「結構、頻繁に一緒にいるせいか、学校の奴らに付き合ってる説流されたことあって。」 苦笑する山野井くんの横で、 「冗談じゃねー。」 と拗ねたように榊くんがぼそっと呟く。 私は思わず吹き出して、笑い出してしまった。 やばい。私、一回ツボると、収まるのに時間かかるんだよねー。 「あ、志穂、こうなっちゃうと長いの。 ちょっと待っててね。」 佐夜がすかさず解説。 そんな佐夜だって笑うの我慢してる顔。 「ご、ごめん。失…礼……だよね。本……当に…ご、めんな……さい!」 笑いの合間に必死に謝る私に、今度はブフッと山野井くんが吹き出す。 「アハハ! 無理しなくていいよ。別に。気ぃ悪くしたりしてないから。」 目尻を人差し指でそっと撫でながら、山野井くんは私に言う。 「ねぇ、名前は?」 あ、私、名乗ってもなかったのか。 「み、水原志穂……デス。」 何とか笑いを収めて名乗った私に、 「よろしくね。水原さん。」 と、山野井くんはまた柔らかく笑った。
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