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「でも、シュンくんが寒くなっちゃうよ?」
最後は、疑問系で首をかしげるところが彼女のさらなる魅力だ。
そして、こんなに寒がっているのに、
制服のスカートは膝上5cmはあろうか。
きっと、彼女は純粋だから、誰かに強制されているのであろう。
「俺は寒くないの」
そういうと、シュンはアスカの頭をくしゃっとなぜる。
度々で申し訳ないが、この二人、まだ付き合っていない。
日本人男子高校生が、
こんな風になったら、少子化の解決の糸口になるかもしれない。
「いいのかなぁ。じゃあ、二人で使おう!」
何度も申し訳ないが、アスカはめっぽうゲームや実戦に強い。
おそらく、オリンピックレベルのアスリート筋肉量だろう、
しかも、格闘技。
動体視力は、常人のそれをはるかに凌駕している可能性もある。
それでも、こんなに寒がりなのは、
鍛えてる量に反比例して、代謝が悪い為であろう。
ふっくらとした華奢な体つきがそれを物語る。
若い女子でも発症するこがあるので、
一度、甲状腺検査をオススメしたい。
「ちょ・・・」
先ほどまで、『え?男子高校生にしては、すごくバチェラーですね』
だったシュンが突然照れる。
今までの余裕が演技だったのか、こちらの照れが演技だったのか
それは、今後の様子を見ないと分からない。
「ね?二人で巻くと、もっとあったかい」
純粋な彼女のことだ。本当に暖をとりたかったのであろう。
そして、ピュアな彼女は、まさかマフラーごときで
シュンが照れていることには気がつかない。
「お前さ!こーゆうことは、勘違いする男がいるからやめろよ!」
この台詞。
ほぼ、告白のように思えるが、
彼は少女漫画の人間だ。
駆け引きの可能性もぬぐえない。
続きを見てみよう。
「え?私とマフラー巻いたくらいで、勘違いする男子なんていないよー」
アスカは無邪気に笑う。
自分の可愛さに、あくまでも気付いていないのであろう。
アスカが少女漫画の人物であったなら、
(わたし、可愛くないし・・迷惑かな・・)
と、結局チャンスを逃すことになるのだが
ラッキーなことに、彼女は少年漫画の人間だ。
密着してるくせに、自分は魅力的でないという。
まだ幼稚園児のように、コロコロとじゃれているだけなのだ。
なんというピュアさ!
「アスカ・・」
「何?」
二人の目線が合う。
「・・・俺、勘違いすることにした。今日から、お前は俺の彼女な」
このような俺様告白は、いくら良い感じになっていても
一定のマニア女子を除いて実際にやってしまったら
向こう3年間は女子の間でネタになり、
『いきなりお前呼び。命令口調。モラ候補のリアル勘違いオトコ』
として名を馳せることになるのだが、
幸い、彼は少女漫画の人間だ。
無事に、王子ポジション→俺様黒王子ポジションも確保できたようだ。
「ええっ!」
驚いた表情のアスカ。
驚いたことに驚くようでは、読み込みが足らない。
彼女は・・・少年漫画・・くどいのでやめておこう。
おそらく、この後二人は、ひょんなことから同居が始まったり
(ひょんなことって、結構起きますよね?え?起きない?)
ゲームの世界から抜けられなくなったり
どちらかが命の期限があったりしつつも
愛の力で乗り越えることであろう!
何故か、作者も二人が魅力的に思えてきてしまった。
恐るべし二人だ。
アスカとシュンに幸あれかし!
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