少年漫画に出てきそうな女子と、少女漫画に出てきそうな男子の会話

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少年漫画に出てきそうな女子と、少女漫画に出てきそうな男子の会話

「くしゅん!」 彼女の名前はアスカ。 実家は地元のお金持ちで、目が大きくて、 いつもうるんだようなところが魅力的。 恥ずかしがり屋で、少しからかうと照れる。 長い髪は栗色で、いい香りがする。 お肌もすべすべ。 手足は華奢なのに、胸や腰周りは豊かで柔らかい。 こんなに美少女なのに、 自分では全く美人だと認識できていない。 (これは、少女漫画ではライバルか親友として登場しがち) きっと、家に鏡がないか、 家庭の方針であろう。 決して自己評価が低いわけではない。 ひたすら、自分の容姿に頓着がないのだ。 (しかし、めっちゃお洒落で清楚だ) ところが、いざ戦闘になると、ゲームでも実戦でも その辺の男性も敵わない程の力を発揮する。 華奢で豊満で柔らかいのに、筋肉どうなった? 漫画なので、少年漫画のヒロインなので、大丈夫だ。 そんなアスカに、 「大丈夫?オレのマフラー使いなよ」 にっこりと微笑む彼の名前は「シュン」 現在日本で生息しているのに、 なぜかホールディングスでも「旧」でもない ズバリ財閥の御曹司。 運動神経抜群で、バスケ部所属。 身長185cmで、よく響く甘い低音の声が魅力的。 長めの前髪から見える物憂げで甘い眼差しと、 長い綺麗な指先が美しい。 とりあえず、色々甘いところが素晴らしい。 成績も優秀だが、幼い頃から母の影響でピアノが特技。 ピティナのコンクールでも優勝経験があり、 趣味のバイオリンでも海外コンクール入賞。 突き指しないでバスケができる才能も持っているのだ。 そして、成績とバスケの時間を持ちながら、 コンクールに出られる練習量を、 ピアノとバイオリンで確保しているのだ。 素晴らしい。 親は会社を継げと言っているが、 本人は何故かアメリカへのバスケ留学か ヨーロッパへのピアノ留学を希望しているという 親の金使いの勇者。 夢を追うというのが、少女漫画には必要な時もある。 「ありがとう。シュンくん。優しいね」 「別に。アスカに風邪引かれると困るから」 「どうしてシュンくんが困るの?」 きょとんとした表情のアスカ。 一般女子なら、この時点で相手の好意に気付く可能性が高いが 彼女は、ピュアなので、そんな事には気付くはずかないのだ。 きょとん顔になってしかるべきなのだ。 「アスカは、俺だけのお姫様だからな。さ、姫。どうぞ」 シュンは、アスカの後ろから、高級マフラーをそっと巻いた。 暖かさが、アスカの頬をばら色に染める。 付き合ってもいない女子に、 こんな台詞を言う男子が実際に存在すれば、 将来有能な夜の接客業になれそうだが、 彼は育ちがいいので、レディーファーストを自然にやっているだけだ。 純粋に風邪を心配しているのだ。 邪推してはいけない。
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