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第2章 新たな能力者
放課後、校舎内設備点検という校内放送により、全校生徒が部活動中止で速やかに帰宅させられた。
学校敷地内に残っているのはおそらく、事情がわかっている教師側と生徒会長である凪先輩、そしてわたし。
「そう言えば、気になることがあるんです」
「なんだ」
生徒会室にある椅子のひとつに腰をおろしたわたしは、正面に置かれた大きな机の前へどっかりと腰をおろして書類をめくっていた凪先輩へ、おそるおそる声をかけた。
「校長先生は、わたしのことを四人目って言っていませんでしたか? でも、今年の新入生で選ばれたの、わたしひとりだけみたいですけれど。あれってどういう意味ですか?」
「すでに在校生の中で三人いるということだ」
凪先輩は書類から目をあげて、わたしを見る。
「いまの三年ではぼくひとりだが、二年でふたり、去年メンバーに選ばれたんだ。そして今年はきみがひとり。同時期に在校生四人という状態は、他校でも珍しいそうだ」
「その方たちが全員、同じグループになるんですか?」
「能力がばらばらであるために、そうなるな」
「能力ごとにカラーが与えられるって凪先輩は言いましたけれど。凪先輩のブルー以外で、それじゃあ他の方は何色なんですか?」
わたしからの質問に凪先輩が答える感じで会話が進んでいたが、そこで突然、凪先輩が口もとに笑みを浮かべて逆に聞いてきた。
「ブルーとピンク以外で、さて、何色がいると思う?」
風使いの凪先輩がブルーだと考えて、わたしは思ったままを口にした。
「火を使うレッドに、水を使う……あれ、ブルーは使われているし。緑かな」
「まあ、妥当な線だが」
そこまで言うと、まるでわたしの様子をうかがうように口を閉ざす。
そして、わたしが焦れた表情を浮かべると、満足したように、凪先輩は言葉を続けた。
「きみが実技試験を合格したら、正式に知ることになる。必要が生じない限り、それ以上は極秘で教えられない」
「教えられないことを、なんでわざわざ聞くんですかぁ!」
「もちろん、きみへの単なる嫌がらせだ」
「ひどい!」
楽しそうに笑う凪先輩を睨みつける。
やっぱりわたしは、凪先輩のストレス発散に使われているんだ。
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