第2章 新たな能力者

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 わたしは、膝に両手をつきながら肩で息をした。 「ほら。早く捕まえなきゃ、時間がどんどん経っちゃうよ」  そう言われて、ムッとしながら顔をあげた瞬間。  ――わたしは彼の言葉で気がついた。  この人、まるでわたしに時間制限があることを知っているんじゃないの?  だとしたら、わたしに体育館へ行けと言った凪先輩の携帯電話の相手は、この彼ということになるのではなかろうか?  そう考えたとき、体育館の入り口で笑いを含んだ声がした。 「なんだ。まだ捕まえていないのか」  振り向くと、凪先輩が姿を現して体育館へ入ってくるところだった。 「ほら、制限時間を過ぎても報告に戻ってこなかっただろう? だから約束通り笑いにきてやったんだ」  そして本当に、わたしを指さして楽しそうに、大きな笑い声を立てた。  うわぁ、ムカつく!  わたしが両手を握りしめ、キッと凪先輩を睨みつけた。  
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