第2章 新たな能力者

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 わたしは、笑い続ける凪先輩を睨みつける。  すると、わたしの視線に気づいた彼が、困った口調で凪先輩に声をかけた。 「凪、笑いすぎ。彼女が可哀想だよ」  そんな彼に、思わずわたしは指をさして叫んだ。 「一番の原因は、あなたじゃないですかぁ!」  わたしの言葉に驚いた表情を浮かべた彼は、大きく目を見開いたあと、くしゃっと相好を崩して謝ってきた。 「ごめんごめん。そうだよね。ぼくが一番悪いよ」  そして、無抵抗をあらわすように両手をあげて、わたしに言った。 「ほら、特別。ぼくはもう逃げないから、捕まえてごらん?」  彼がそう言ったとたんに、凪先輩が我慢できないという感じで吹きだした。  なによ、このふたり。  わたしを馬鹿にして!  ふくれたまま、わたしは彼のほうへ歩きだすと、凪先輩が後ろから煽るように声をかけてくる。 「桂。彼のアバラを折るつもりで思いっきり抱きつきに行けよ」  わたしは、キッと凪先輩を振り返る。  怪力のことは内緒なのに、あんまり大きな声で言わないでよ!   それに、抱きつけだなんて恥ずかしい!
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