第3章 どうやら歓迎されていないようです

3/31
85人が本棚に入れています
本棚に追加
/249ページ
 どういうこと?  まさか、この世界の時間が止まっているのだろうか?  あるいは、時計だけ?  でも、教室の中の時計と自分が身につけている時計、そのふたつが同時に止まるなんてことがあるのだろうか。  自分の呼吸の音もたてることがためらわれるほど、静かだった。  そして、その瞬間。  教室の電気が、突然消えた。  暗闇の恐怖で、声にならない悲鳴をあげたわたしはパニックになったまま、教室から飛びだそうとドアのほうへ顔を向けたとき。  ブンという音が教室内で響き渡り、一斉にすべてのコンピューターの画面が光を放った。  腰が抜けたように、その場でわたしは、へなへなと床の上に座りこむ。  まるでホラー映画のシーンのようだ。  このあとは、主人公が何者かに襲われるんだ!  パソコンのデスクトップが意味不明な画面を表示しながら点滅をする中、腰が抜けたままのわたしは、それでも出口を目指して、這ってでも移動しようとすると。  教室の前方から眩しい光を浴びせられて、頭がくらくらした。  たたみかけられる恐怖に、そろそろ神経が限界になってくる。  それでも、光のもとがなんなのかを確認しようと、薄目を開けて前を向いた。
/249ページ

最初のコメントを投稿しよう!